「少年法改正に伴う人々の声と、少年法のこれから」　０００１４９Ａ 南 史代

当初、参院選挙制度改正を巡り、混乱があり、野党は少年法改正案の審議を拒否していたが、正常化に伴い、審議に参加した。野党は少年法の改正による厳罰化は１９４８年の成立以来の、「保護主義」、という少年法の理念に反していると主張し、改正に反対した。しかし、施行５年後に、改正したことで少年犯罪は減ったか、検察官の少年審判出席が少年側の不利益にならなかったかを検討した上で見直すことを条件に加え、自民、公明、保守の与党三党と、世論の声を気にした民主党が最終的に改正案に賛成したことで、賛成多数により、改正案は可決された。

少年法は以前のものよりもかなり厳罰化されている。

• 少年法適用の対象年齢を２０歳以下から１８歳以下へ引き下げる
• 刑事罰の対象年齢を１６歳以上から１４歳以上へ引き上げる
• １６歳以上で殺人など重大犯罪を犯した場合、家裁から検察に身柄を移し（逆送）、成人と同様に刑事裁判を受けさせる

• 少年法が厳罰化されたことによって少年犯罪が減るのではないか
• 少年たちが、これから、もっと少年犯罪について考え、また、少年法について考えてくれる様になるのではないか

• 少年法改正による厳罰化は少年の非行、犯罪防止にはつながらないのではないか
• 改正された少年法は、少年たちの視点が抜け落ちているのではないか
• 加害者の少年たちに心からの反省と謝罪を促すことにはならないのではないか

• 少年によって、自分の子供の命を奪われた両親の方々がホームページを開いていた。彼らは我が子を失った無念の声と、これから自分たちがすべきこと、国民への訴えの声と、少年法改正に対する自らの意見を述べている。「人として一番大切なことは、自分のしたことに対して、責任を負い果すということだと思います。今まではそのことが全く抜け落ちていたのです。それが少年法の目的である健全な教育の始まりだと思います。今のままでは遺族は何ひとつ救われないでしょう。今一度もっと力を入れて考えて欲しいと思います。これ以上子供たちを被害者にも加害者にもさせないために。そして、私たちの様な思いを誰にもさせないためにも。」こう、遺族はそのホームページの中で述べている。彼らは自分たちが被害者になったからこそ、深く少年犯罪について、少年法について考えているのだと思う。その意見はとても重要なものだと思う。少年たちが、これ以上少年犯罪を起こさないために、そして少年法について自分たちで考え始めるのではないか、また、本当の意味での健全な教育が始まるだろうという点で、少年法改正は意味のあるものだと考えている。しかし、改正された少年法は、あまりにも性急すぎて、目先だけを多少変えた、きわめて掘り下げ不足であるといえると述べている。５０年以上も少年法を見直さないなどということは、二度とくりかえさずに、改正後の検討を怠ることなくきちんと行い、そして改正が続けられることを彼らは望んでいる。
• 私はあるテレビで、犯人の少年に、顔と心に消えることのない傷を負わされた女性が、少年法改正について、意見を 述べていらっしゃるのを見た。その女性は、改正に反対の意見を持っていた。自分が被害者であるにも関わらず。彼女は、性急な少年法改正は、少年たちの心を落ち着かせることにも、少年犯罪を減らすことにもつながらないのいではないかと言っていた。少年を救うためにもっとすべきことがあるだろうし、改正された少年法では、それにはつながらないだろうというのが彼女の意見だ。もっと、きちんと考えるべきではないのでしょうか、というように述べていらっしゃった。

• 少年法の子供を守る法律と言う主旨は、万引きなどの軽犯罪を犯した、更正の余地の十分ある少年を守ると言う事だ。殺人などの重大犯罪を犯した少年を更正させるのももちろんだが、その罪を償ってもらうために、新しい少年法が必要だと思う。また子供に対する親の責任は大きいと思うので少年法の全面改定はもちろん、子供の犯した罪によっては刑務所に行く、ぐらいの法律をつくるべきだと思う。

• 殺人などの重大犯罪を犯す少年達は、人としてのプライドを失い、将来を投げ出して、非行に走っているのだ。少年法が厳罰化され、罪が怖いからといって、自分の行動をコントロールできる様にはならないだろう。例え、一時的に抑えても、別なところで、それをさらに陰湿な形で発散するだけだ。力による抑圧は、大人への信頼を失わせ、少年をさらに、すさませるだけである。

少年犯罪によって子供達を失った親がつくるホームページ。自分達が当事者になって初めて、考え、わかったことが